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リービッヒ冷却器の間違った使い方

冷却水を上から流すんでしょ? はいはい、知ってますよ。
的なものではない。
ものぐさ太郎はヘンテコな使い方をするというものである。
オープンカラムとして使うのだ。冷却ラインにIPAあたりを適当な温度で流す。とりあえず-20度くらい。
冷えてた方が分離能がいいので少量のシリカ、アルミナで分離できることもある。欠点は径を太くすると温度不均一で分離能が落ちる。湿気りやすい。溶解度がさがってヘキサン酢エチでたまに析出する(ダメならトルエン混ぜる)。
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弱い市民は再び虚構新聞に敗北する

タイトルは思いつきだが、ありえるだろうと思っている。

私がカシワァでスシィを食っている頃から、千葉県では浄水のホルムアルデヒド濃度が問題になっているようだ。
利根川・化学物質検出:月夜野橋で水位上昇 上流ダム放水増、みなかみで氾濫注意に /群馬
毎日
2県が事業者へ聴き取り調査 化学物質検出
日テレ
化学物質検出で送水一時停止や制限
読売

化学物質のイメージとしてどういうものが一般に持たれているかについては述べない。
しかし、一般的に持たれているイメージがあり、かつそれを利用する事が出来れば非常に筆者の意見を補強する材料になりうるだろう。
これらは、具体的な化合物を明示しないことで危うい見出しになっている。
ケモフォビアを呼び起こす事もできるだろう。
要するに釣り記事と同じ構造に私には見える。(タイトルにつなげたつもりで安堵

JAISTのバイオポリエステルについて解説したかった

ブログ編集しようとしたら

とかいう馬鹿サイトを見つけてついゲラゲラ笑ってしまった。みんなも笑ってあげてね。

本番。
http://www.jaist.ac.jp/news/press/2012/post-321.html
JAISTがなんかすごいバイオポリエステルをつくったらしいというプレスリリース。
http://news.mynavi.jp/news/2012/05/10/159/index.html
マイナビがほぼコピペで記事にする毎度のパターン。

まず基本としてエステルってなんぞ? って話。
エステル
こういうの。高校化学を思い出すんだ!
Rはそれぞれ炭化水素鎖。アルコールとカルボン酸が縮合した形がエステル。
ポリエステルは定期的にこのユニットが現れる高分子。
バイオポリエステルの筆頭はポリ乳酸
ポリ乳酸
こんなの。乳酸はアルコールでありカルボン酸なので自前で縮合出来る。
ぐにゃぐにゃは紙面手前か奥。ここを制御しないとポリ乳酸は白いタール状の何かだったり、激烈に軟い何かになってる。逆にここを上だったり下に制御してやったりすると使い捨てボトルくらいにはなる。
ちなみに、繊維やペットボトルに使うのはPETというやつ。ググれ。頑丈な奴はベンゼン環が入ってる。
多分今回の研究も元々の発想はそういうところから来てる。ベンゼン環入れると頑丈。

今回使ってるのはポリフェノールの一種、桂皮酸類と云ってるが、ちょっと誤解を招くと思う。
実際私はマイナビがハマってるように見える。
ポリフェノールっていうのは、フェノールユニットが(いくつか)露出した分子。
フェノール
これがフェノール。
桂皮酸
これが桂皮酸。
pクマル酸
これがp-クマル酸。
今回の研究は桂皮酸骨格をもったポリフェノールの一種を用いた研究であるというところなのだが、有機化学をやった人は往々にしてこの手のメインになる骨格を決めたら、~類、~誘導体と表現する。
今回使った化合物にはフェノールユニットが露出しているので間違いなくポリフェノールである。と同時に、機械的性質を決める一因となる桂皮酸ユニットが重要であるのはいうまでもない。
【植物細胞に含まれるポリフェノールの一種である桂皮酸類と天然鉱物であるハイドロタルサイトを用いて、高耐熱性と世界最高クラスの曲げ強度を持ったバイオポリエステルを開発したことを発表した。】
【これまで研究チームは、ポリフェノールの一種である剛直な構造の桂皮酸に注目し、中でも大麦から得られるパラクマル酸とサツマイモから得られるカフェ酸などから高耐熱性のバイオポリエステルを開発してきた】
マイナビに書かれた分。
後ろの方はどうかかっているのかわかりにくい。ポリフェノールの一種であるパラクマル酸あるいはカフェ酸とつなげるとわりとすっきりするのだが、ポリフェノールの一種である剛直な構造の桂皮酸に注目し、とかかれるとこいつ本当に分かってんのかなと思わせる。というか、この文章なんかおかしいんだよ。
同チームが桂皮酸骨格に注目してること、天然に得られること、ポリフェノールの一種であること、フェノール骨格でかつ桂皮酸骨格をもつので自己縮合可能ってくらいにわけてもいいんじゃねーの?

合成のポイントとしてはアシドリシス反応とその触媒だが、後者についてあーだーこーだ云う要素が見当たらないのでパス。前者はエステル交換反応みたいなもの。エステルは塩基性条件で交換するので元々のユニットが交換するのでそれを利用して高分子化している。エステル交換反応は多分PET製造に使うはず。ググれ。

わからないのはこの力学強度ってなんだろ。Mechanicalって機械的っていうのが普通だと思ってたんだけど(これはどうでもいい)

ストリキニーネの全合成

あんげのついったからこんなものが流れてきた。
Is There No End to the Total Syntheses of Strychnine? Lessons Learned in Strategy and Tactics in Total Synthesis
引用の仕方がいい加減だが気にしない。著者はOverman。Overman転位の人か。そういや、だいぶ前にストリキニーネの合成やってたな……。
なんかこういうのがでてくるのもわかる気がするんだぜ。(まだ読んでない。VPN出来ないから読めんバイ……)
さておき、2010年あたりから3-4報ストリキニーネの全合成みた覚えがあるもの。(北大の森せんせあたりが2010年のはじめにレビューやってた。 M. Mori, HETEROCYCLES, 2010, 81 (2), 259 - 292 DOI: 10.3987/REV-09-661 )

B. Andrade et al., J. Org. Chem., 2010, 75 (10), 3529–3532
イミンとかイミニウム塩の共役付加がキーステップ、1ポットで2環作る近年の環形成によくあるパターン。とはいえ良くできてるなーっておもった記憶がある。

H. Reissig et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2010, 49 (43), 8021–8025
ヨウ化サマリウムつかった1電子還元がキーステップで2ヶ所環を巻いてる。6員環形成するために都合のいい場所にケトンとエステルがある……。原料合成のほうが大変じゃね? これ。
私はこの手の1電子還元剤使ったこと無いから非常に驚いたんだけど速い上に収率いいのね。6員環形成は確かに有利そうだけど5分で80%弱ってすげーなおい、と。

C. D. Vanderwal et al., Chem. Sci., 2011, 2, 649-651
けむすてあたりでもなんどか出てきたVanderwal。
Zincke aldehydeを使った分子内[4+2]とBrook転位からの共役付加やってたやつ。
この共役付加の過程が厄介みたいで収率が上がっていなかったのだが、ここはかなり面白いところだと思った。
というのも、あのあたりのステップは既に確立されていて(確かRawalあたりがやってた J. Org. Chem., 1994, 59 (10), 2685–2686)大体みんなHeck反応使うから。
そこに新しい手法を持ち込んだのは大きいよなぁ。

D. W. C. MacMillan et al., Nature, 2011, 475, 183–188
あとはみんな大好きMacMillan。なんだっけ、これってたしか6種類くらい天然物合成してみましたテヘ、とかいう狂気の論文だったよな(けむすてあたり参照)
キーステップはイミニウム塩つかったカスケード環化か。けむすてにもかいてあったからもういいや感。
硫黄だと脱離しないからセレンにしちゃいました~☆というところでぜんぜん違う骨格が出来てくるところが面白い。というか、炭素鎖の長さ変えたらほかにも変なもんできんじゃね? とさえ思える。

まとめ:みんなストリキニーネ好きすぎだろ

なとりうむばーん!

東工大(おまけ)でナトリウム爆発した件
思い出したので書く。

ナトリウムをばーんしまくってる私としては結構きにしてた。けど記事にはしていなかったので。
余談だけどどこかの女子大の化学の研究室じゃナトリウム乾燥は教員の仕事らしい。ナトリウム使えない科学者とかダイジョーブか?
閑話休題、ナトリウム火災とかヒヤリハットはよくある。
私もやったことある。ナトリウム切ったナイフに洗瓶からえたのーるかけてたら火を吹いたりとか。
ろ紙にわずかに残ったナトリウムを水でクエンチして火を出したり。
この人は不幸なことに火が出るだけじゃなくて爆発してひどい目をみてしまったが。
確かナトリウム成形機?のクエンチにヘキサン、メタノール混合液を使っていて、当該学生が完全に潰れるまで一次離れた後に他の学生がクエンチ済みだと思って洗浄しようとしてばーん、だったと思う。
発火はよくあることなのだが爆発なので量もそこそこあって水素も結構滞留してたんじゃないかと思う。
で、ミスは2つだろう。
クエンチ中の表示をせずに離れたこと。ヘキサン、メタノール系を使ったこと。
なんでヘキサンと混ぜてるかというとメタノール濃度を下げて急激な反応を避けるため。ただ、アルコキシドが生成すると相分離して上層がヘキサンばっかりでほとんど反応しなくなる。これが大きいところ。
後クエンチにメタノールはどうよ。反応速いよ。
量にもよるけどエタノールとかIPA使うべきじゃないかな? IPAは意外と反応が遅いのでIPA原液にだぼんとつけてもいけると思う。ただ薄めたほうがいいだろう。そこそこ極性のある溶媒と。
私ならエタノール使う、高いけど。エタノールバスにどぼんか、IPAとのこんごうようばいにどぼん。
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宮田光臣

Author:宮田光臣
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化学とか趣味のことを記述します。

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